セミナー概要

顧客の体験価値を重視するというCXの実践には、CXを生み出す働く人の体験、つまり従業員体験が深く関わっています。従業員のモチベーション、顧客と向き合える組織設計や環境の整備、そのためのデータ活用など、様々な面において優れたEXなしには顧客の享受する価値を真剣に考え、届けることは難しいといえます。一方で、洗練されたCXは顧客からの良質なフィードバックを生み、EXの向上に貢献します。このような問題意識からExperience Day 2021では、企業の思考と事例や有識者の探求から、CXとEXの相互的なつながりを議論します。

CXはもとより、EXも従業員満足度といった指標のみで一元的に捉えることのできない豊かな概念です。顧客の享受する価値を向上させるために、従業員が自身の能力を最大限発揮できる状態や環境とはどのようなものか。ファンから熱狂的に支持されるCXが、市場調査よりも従業員個人の「自分なら何を求めるか？」という問いに由来するのはなぜか。テクノロジーの発展に伴いデータ活用の必要性が叫ばれるなか、CXとEXを定量的/定性的に測るにはどうすればよいのか。エンジニア、デザイナー、広報、編集者、あるいは近年新たに見られるCX担当者が、部分的な役割を飛び出し自らの強みを企業全体に内面化することにはどのような意味があるのか。企業と顧客という枠組みを超え、地域住民をも巻き込むスポーツクラブはどのような価値共創を企てようとしているのか。

Experience Day 2021では「CXとEXのつながり」を深く多面的に検討するために、例えば上記のようなテーマを設定し、2日間に渡って総勢26名による10のセッションを企画しています。カンファレンスに参加いただいた方々が、CX/EXの多様な可能性に触れ、自社にとっての理想のCX/EXを考える一助となることを意図しています。