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■4月7日ー新型コロナウイルスによる緊急事態宣言―
2020年4月7日、政府は第27回新型コロナウイルス感染症対策本部会議での決定を受け緊急自体宣言を発令しました。
外出自粛による宅配サービスの需要の増加や満員電車を避けるための在宅勤務化など日本国内でも新型コロナウイルスにより大きな変化が求められています。
このような状況化で、ビジネスパーソンの働き方はどう変化したのでしょうか。
MMD研究所では新型コロナウイルスの感染リスクを低減させる短時間勤務を1月31日(金)に開始しました。その後、感染拡大防止のため、3月2日(月)~現在まで完全在宅勤務を実施しています。
「自宅でどうやって仕事をしているの?」
「メンバーとのコミュニケーション不足や部下の進捗管理をどうしているの?」
など、自宅で働くことにイメージが付かないと思う方も多いのではないでしょうか。
本ブログでは弊社の在宅勤務経験を交えながら、先日発表した「在宅勤務における自宅のインターネット通信回線の実態調査」のデータをご紹介していければと思います。
調査名:「在宅勤務における自宅のインターネット通信回線の実態調査」
■5月時点での在宅勤務状況と開始時期
在宅勤務を5月時点で行っていたビジネスパーソンは果たしてどれくらいいるのでしょうか?
全国の20~69歳のビジネスパーソンに勤務状況を聞いたところ、およそ30.9%が今も在宅勤務を行っていると回答していました。
39都道府県の緊急事態宣言が解除された5月19日~5月22日の期間に聴取したデータになりますが、まだまだ在宅勤務を行っている企業は多いですね。
在宅勤務開始時期は4月7日に発令された緊急事態宣言前後がボリュームゾーンになっています。下のグラフを見ると在宅勤務者のうち78.1%が4月以降から在宅勤務を開始したことが分かります。新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、4月から徐々に働き方を変更し始めた企業が多いことが読み取れますね。
東京都では3月6日(金)からテレワークを導入する都内の中堅・中小企業等に対して、事業継続緊急対策(テレワーク)助成金制度の申請受け付けを開始しました。
「パソコン」「タブレット端末」「ソフトウェア」「ビジネスツール」などの購入費が助成対象となり、助成率も10/10と全額支給という驚きの待遇です。
各都道府県でも、さまざまな支援制度を用意しており4月に在宅ワークが進んだ背景もこういった国の支援が後押ししていたのかもしれませんね。
■在宅勤務の効率的なところと現状の不満点
4月から在宅勤務を開始しているところでは、そろそろ2か月が経つタイミングかと思います。在宅勤務を数カ月体験した中で、在宅勤務のよかったことや困ったことではどういったことがあったのでしょうか?
MMD研究所でも在宅勤務を取り入れて数カ月、よかったことも困ったことも両方経験する機会がありました。
社内のメンバーに在宅勤務のよかったことや困ったことについて聞いてみましたので、いくつかご紹介しますね。
◆在宅勤務のよかったこと
・移動時間が無くなったため、体力的・時間的に余裕が生まれた。(20代・男性)
・在宅勤務で部下からの連絡がより細かく来るようになったため、以前よりも管理がしやすくなった。(40代・男性)
・業務の合間やお昼の時間にギターを弾くなど息抜きをしながら仕事ができるようになった。(30代・男性)
在宅勤務のよかったことでは、通勤時間が無くなったことにより体力や時間的な側面と、社内のやり取りが活発になったという意見がでました。
次に困ったことをご紹介いたします。
◆ 在宅勤務の困ったこと
・勤務時間とプライベートの区別がつきにくい。業務時間外にも気づいたら社内の連絡が貯まっているときがある。(20代・男性)
・打ち合わせやミーティングの際に相手がどう感じているのか伝わりづらい。(20代・男性)
・上司の自宅のインターネット回線状況が悪く、会議中に落ちてしまう人がいる。ただお金のかかることなので、通信環境を整えて欲しいと伝えにくい。(30代・男性)
また、全国の在宅勤務をしているビジネスパーソンにも、フリーアンサーにて在宅勤務に関する意見を聴取しました。
よかったことでは「通勤時間の短縮」や「自由時間が増えた」という回答が、困ったことでは「管理の難しさ」や「効率の悪さ」を挙げる声が見られました。
在宅時のビジネスツールについてのグラフを見ると、まだまだオンライン会議以外のビジネスツールを導入している企業は多くはありませんでした。
困ったことの意見で多かった「管理の難しさ」や「効率の悪さ」を解消する動きとして、在宅ワーク推奨企業ではビジネスツールの導入がこれから進んでいくかもしれませんね。
以下に在宅勤務に関するフリーアンサーから共起分析を行った結果を載せておきますので、ぜひご覧ください。
■在宅勤務時のトラブル/自宅のインターネット環境の見直し
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、在宅勤務に切り替えた企業は相次ぎましたが、インターネット環境を整えなければならなかった人がいたのではないでしょうか。
近年、自宅に固定回線を引かない家庭や賃貸物件等の制約で固定回線が引けないケース、大手キャリアから大容量プランが提供されていることもありテザリングを利用している人も増えてきています。
自宅でも会社と同じように勤務するとなると、パソコンとインターネット回線は必須になり、自宅のインターネット回線を見直す/見直したきっかけになりつつあるのかも知れません。
在宅勤務中にこのような事態に遭遇したという経験はありませんか?
「社内のMTG中に通信環境が悪く、遅延が発生してしまった」
「社外の打ち合わせの際に、ログアウトするメンバーがおりオンライン会議がスムーズに進行できなかった」
「容量制限MAX近くまで使ってしまったため、休日に動画を観るのを止めた」
MMD研究所のスタッフの中でも、在宅勤務中に映像が止まってしまうことやメンバーの発言が聞こえないなどの事態が発生することが度々あります。
そんな背景があるからか、自宅の通信環境への意識が2020年変わるかも知れません。
総務省が令和2年5月26日に発表した「固定通信市場の競争環境に関する検証について」のデータを参照すると、固定回線継続利用年数は10年以上が33.6%と圧倒的に多く、次いで1年未満が続きます。
通信環境を全く変えていない岩盤層と1年から4年程度で通信環境を変えた人の2極化している現状がありますね。
また、MMD研究所の調査では、在宅勤務をしているビジネスパーソンに在宅勤務に伴い通信環境を整えたかどうかを聞いたところ、何かしら整えたと回答した人は11.9%ほどいました。
(※自宅のインターネット回線状況にはホームルーターやモバイルルーターも含んでおります。)
総務省の有識者会議でも、固定回線のスイッチングコストによる囲い込みが問われていますが、2020年は新型コロナウイルスの影響で通信環境の見直しの年になるかもしれません。
在宅勤務を機に自宅のインターネット回線を整えた人の割合グラフをみると、約16%が自宅のインターネット回線の見直しに動いています。
国の動きとしても新型コロナウイルス感染症対策として在宅勤務の推奨し、手厚いテレワーク助成金制度を設けています。
こうした国の在宅推奨の動きや、実際に在宅勤務を始めた人の通信環境の見直しの動きをみると、今までテコでも動かなかった岩盤層も新型コロナウイルスを機に、自宅のインターネット回線を見直す動きが活発になる可能性がありますね。
MMD研究所ではこれからも、オンライン勤務状況や通勤環境にまつわる調査データを引き続き発表していきます。
弊社がどのように在宅勤務をしているのかご関心がある方や、調査データへのお問い合わせなどございましたら、以下の連絡先までお気軽にご連絡くださいませ。
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■ 関連リンク
●MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)
●MMD研究所 プレスリリース
●新型コロナウイルスによる働き方の変化―これからのビジネスパーソンの働き方の環境について―