電通、国内初「Facebook Advanced Analytics」を活用したセキュアな”人”起点の分析ソリューションの提供を開始
2021.10.13
2021.10.13
目次
オンオフを統合した顧客体験設計、広告プランニング、効果計測が可能
株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役社長:五十嵐 博、以下「電通」)と株式会社電通デジタル(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:川上 宗一、以下「電通デジタル」)は、Facebook社が提供する、プライバシー保護とクライアント企業のマーケティングニーズを両立した次世代型のデータ統合基盤「Facebook Advanced Analytics※1(以下、FBAA)」を活用した、国内初のマーケティング施策の分析ソリューションを開発、本日より提供を開始します。
提供の背景
昨今のマーケティング施策において、個人のプライバシー保護の観点から、個人の許諾が不明瞭のままデータが流通する懸念がある3rdPartyCookie(以下、Cookie)からの脱却が模索されています。一方、Facebookなどのプラットフォームの、事前に利用者から許諾を得たデータなどを利用し、日本の個人情報保護法に準拠したかたちでさまざまなデータをセキュアに統合できれば、プライバシーが保護されるのはもちろんのこと、生活者により便益のあるマーケティング施策へ進化できる可能性も広がっています。
電通、電通デジタルは従前よりこの可能性に着目し、各プラットフォームより提供される「Data Clean Room※2」を活用したソリューションの開発を進めています。その一環として、2018年よりFacebook社から先行的にライセンスの提供を受け、いち早くFBAA活用の取り組みを進めてまいりました。
このFBAAでは、広告接触・動画視聴・バナークリックの有無など、Cookieでは得られなかった豊富な情報が、利用者の許諾に基づきFacebook国内利用者2600万人およびInstagram国内アカウント3300万※3のデータに統合されます。FBAAのアウトプットデータは、個人の特定につながらないように設計されているため、電通が保有するテレビ視聴データや位置情報データを含むPeople Driven DMP®のデータ※4、購買データ、クライアント企業の1stPartyデータを、プライバシーが保全された状態で利用することが可能です。
これにより、ブラウザごとにデータを取得するCookieでは分断されがちだった情報を、”人”起点で統合することができます。その結果、テレビCM~Facebook/Instagram広告~来店~購買~リピートまで、マーケティングニーズに沿った「オンオフ施策を横断した柔軟な分析」「精緻な効果の測定」と、それに伴う「顧客体験の設計」「メディアプランニング」を、統合的に、かつ、継続的に実行することが可能になりました。
プライバシー保全環境で統合分析する次世代型データ基盤FBAAを活用した分析ソリューションの概要
FBAAの従来にはない3つのメリット
約10社を超えるクライアント企業との実証実験を重ね、このたび、Facebook/Instagramに広告を出稿される、幅広いクライアント企業に、下記メニューを提供することが可能になりました。
FBAAを活用したオンオフ統合分析ソリューションメニュー
① テレビCM×デジタル広告×デジタルOOH計測
テレビCM、デジタル広告、デジタルOOHの重複状況ごとのリーチ&フリークエンシーと、測定されたKPIに対する純増効果を測定。
② ペイドメディア最適予算配分
テレビCMやデジタル広告のKPIを最大化するための最適な予算配分を算出。
③ 購買起点PDCA(インストアの購買)β版
Facebook/Instagram広告接触者によるコンビニエンスストアやドラッグストアでの購買状況を掛け合わせ、間口と奥行の純増効果を測定。
④ 大規模シングルソースパネル分析
広告接触、ウェブ来訪、実店舗への来店/成約など、データ統合が困難であった取得経路の異なるデータソースを”人”起点で統合し、大規模なパネルデータとしてウェブ接触後の購買可視化などを行う。
⑤ アドホック分析
FBAAの強みを生かし、クライアント企業のビジネス要件に応じて、個別の目的に即した分析を実行。
現在、③購買起点PDCAβ版にて、購買データと連携した広告配信や効果計測の実証実験に参加されるクライアント企業を募っています。
FBAAを活用したオンオフ統合分析ソリューション活用事例
・アパレル会社にて、折り込みチラシやデジタル販促の来店効果が可視化できない課題に対し、FBAAを用いることで”人”起点で広告接触と位置情報による来店データを分析。「Facebook/Instagram広告」と「折り込みチラシ」それぞれの来店貢献の度合いを比較し、それぞれの広告効率を地域ごとに可視化。分析結果をもとに、デジタル強化エリアやチラシ強化エリアを選定した、新たなメディアプランの策定。
・メーカー企業にて、テレビとデジタル広告の計測が別々で行われており、個別最適でのプランニングになっていた課題に対し、電通の保有するテレビ視聴データとFacebook/Instagram広告接触データを統合した分析を実施。分析結果をもとに、テレビCMやFacebook/Instagram以外の媒体も含めてデジタル広告による購買の純増分を最大化する最適メディアアロケーションツールを開発。
今後も、電通・電通デジタルは、Cookie依存から脱却した”Cookieフリー”時代に対応するため、FBAAのような機能を実装したデータ基盤「Data Clean Room」の活用を推進します。顧客体験を向上する”人”起点のソリューションで、クライアント企業のマーケティングの効率化・高度化に貢献してまいります。
※1:Facebook Advanced Analyticsのプライバシー保護機能について
Facebook Advanced Analyticsは、環境内で個人の特定が行えないようなシステム制御(ローデータ自体はシステム上の画面から見ることはできず、ダウンロードもできない。あくまで集計条件を投げる画面が用意されているだけ/100未満のサンプルサイズは集計が自動的にエラーになる/利用者はe-mailや電話番号といった情報をハッシュ化せずにはアップロードできないなど)を備えたクラウド環境。また、ローデータは個々のユーザー様から許諾が得られている範囲において提供されるものとし、データは各クライアント企業ごとに分別管理されている。
※2:Data Clean Roomについて
プライバシー保護と企業のマーケティングニーズの両立を実現させ、マーケティングの継続的なPDCAを実行することのできるデータ基盤。プラットフォーマーの提供するデータと、クライアント企業の1stPartyデータや電通が保有・連携するデータとの統合を、プライバシー保全された環境で実行できる仕組みを保有しているため、従来では実現できなかった範囲や粒度で生活者の行動を統合的に分析し、顧客体験の設計・効果計測が可能となる。
※3:公表数字、2019年3月時点。
※4:People Driven DMP®について
People Driven DMP®は、PCやスマートフォン由来のオーディエンスデータと、テレビの視聴ログデータ(STADIA)、ウェブ広告接触データ、OOH広告接触データ、ラジオ聴取ログ、パネルデータ、購買データ、位置情報データなどを人(People)基点で活用することができる、People Driven Marketing®のデータ基盤です。さらなる強化のために、People Drivenパートナーシッププログラムを通じ、「メディア/コンテンツ」、「デジタルプラットフォーム」「EC・購買」「パネル/メジャメント」「位置情報」などの各種パートナーと、データやテクノロジーの連携によるビジネス・アライアンスを推進。なお、People Driven DMP®では、個人情報の保護に関する法律に定める個人情報は扱っていない。
関連リンク
●株式会社電通
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