目次
〜iOSのマーケティング予算は前週比120%と増加傾向に〜
モバイル広告効果計測プラットフォームとマーケティングアナリティクスを提供するAppsFlyer Japan株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:オーレン・カニエル、カントリーマネジャー:大坪直哉、以下AppsFlyer)は本日、iOS14アップデートとApp Tracking Transparencyフレームワーク(以下、ATT)本格導入を受けたアプリユーザーの最新動向に関する週次レポート「ATT Dashboard」を発表しました。
今回は、2021年5月17日〜2021年5月24日までのデータを加えた1,590のアプリデータを基に更新しています。
*ATT Dashboard (最終更新日: 2021年5月25日、次回更新日: 2021年6月1日)
レポートURL:https://www.appsflyer.com/jp/ios-14-att-dashboard/
調査サマリー
2021年5月25日更新データ(グローバル、全体)
<アプリのATT実装率>
18% |
<iOS14.5アップデート率>
16% |
<ATTオプトイン率※>
40% |
※2021年5月17日〜2021年5月24日
●デベロッパーによるアプリのATT実装率は18%、ユーザーによるiOS14.5のアップデート率は16%と増加の兆し
●ユーザーのATTオプトイン率は5月17日〜24日の期間で全体で40%と前週とほぼ同水準に
●iOSのマーケティング予算は前週比20%増加 Androidはほぼ変化なし
近年、モバイルの利活用が急速に進行する流れに伴い、ビジネスにおいて個人のプライバシーに対する配慮の重要性が世界的に高まっています。そうした中、4月26日にiOS14.5がリリースとなり、Appleによるユーザーの個人情報保護を目的としたATTフレームワークが導入開始されました。広告主は今後、広告識別IDであるIDFAの取得が制限されることとなり、Appleが提供するプライバシーに配慮した計測ツール”SKAdNetwork”への適応も求められます。
本レポートでは、iOS14.5のリリース、ATTフレームワークの導入を受け、アプリデベロッパー・広告主がどのように行動し、アプリユーザーがどのように反応したか、AppsFlyerが網羅する世界のアプリデータを基にその最新動向を公開します。
*調査ジャンル:全体(全アプリジャンル)、ゲーム(サブジャンル別)、ショッピング、ファイナンス、ソーシャル、エンターテイメント、写真、フード&ドリンク、ライフスタイル
*調査対象国:米国、英国、ドイツ、フランス、ロシア、トルコ、日本、韓国、オーストラリア&NZ、中国、インド、ベトナム、ブラジル、メキシコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦
iOS14とATTに関する最新動向
デベロッパーによるアプリのATT実装率は18%、ユーザーによるiOS14.5のアップデート率は16%と増加の兆し
2021年4月26日にATTフレームワークが導入されて1ヶ月が経過し、5月24日までにATTを実装したアプリデベロッパーはグローバル・全体(全アプリジャンル)で18%、iOS14.5にアップデートしたユーザーは16%となりました。それぞれ、5月9日までの17%、14%と比べ1〜2ポイント増加しており、今後、Appleが最新バージョンへのアップデートを推奨していくことでiOS14.5の割合が急速に増加することが考えられるため、アプリデベロッパーはATTの実装を対応することが求められます。日本においてもiOS14.5のアップデート率が16%とグローバルと同水準となっています。
ゲームのサブジャンルごとのATT実装率を見ると、ハードコア(29%)、ソーシャルカジノ(29%)、ミッドコア(23%)に対して、ハイパーカジュアル(17%)、カジュアル(16%)とカジュアルゲームが低い結果となっています。特にハイパーカジュアルのような気軽に遊べるゲームジャンルにおいては、ユーザーの情報に依存している広告の収益が占める比重が大きいため、iOS14.5以降のアップデート率が低いままATTの実装がなかなか進んでいないことが見受けられます。
ユーザーのATTオプトイン率は5月17日〜24日の期間で全体で40%と前週とほぼ同水準に
ATT導入後、ポップアップでアプリによるトラッキングを許可したユーザーの割合を示すATTオプトイン率では、新たにデータ更新となった5月17日~24日においてグローバル・全体で40%、各ジャンルを見ても35%~40%と、前週(5月10日〜16日)とほぼ同水準を維持しました。日本においては、全体で38%のATTオプトイン率となっています。
一方で、ATTオプトイン率の統計は、実際にATTポップアップを見たユーザーとすべてのユーザータイプを対象としており、旧バージョンで「追跡型広告を制限(LAT:Limit Ad Tracking)」をONにしていたユーザーは含まれておらず、LATをONにしているユーザーの割合はグローバルで14%、日本では21%となっています。
iOSのマーケティング予算は前週比20%増加 Androidはほぼ変化なし
ATT導入後3週間における広告主のユーザー獲得予算の推移を見ると、これまで大きな変化がなかったiOSにおいて5月17日~24日の一週間で20%増加していることがわかりました。それに対して、緩やかなペースで増加を続けていたAndroidでは、同期間でわずか2%増にとどまる結果となりました。いまだiOS14.5のアップデート率が低いことを受け、iOSアプリのマーケティング予算を増やした企業が多かったことが見受けられます。
一方で、今後のiOSおよびAndroidのマーケティング予算配分の傾向について判断するタイミングではないため、引き続きアプリデータを基に注視していく必要があります。
アプリジャンルごとの詳細なレポートは、以下よりご覧ください。
*ATT Dashboard (最終更新日: 2021年5月18日、次回更新日: 2021年5月25日)
詳細URL:https://www.appsflyer.com/jp/ios-14-att-dashboard/
iOS14.5の最新データから見る業界動向に関するウェビナーを開催
iOS14.5のリリースから数週間が経過し、広告主を取り巻く環境が大きく変化しました。ATTフレームワークが本格導入された中、この度、世界72%のシェアを誇るAppsFlyerが保有する網羅的なアプリデータを基に、実際のiOS14.5アップデート率、各業界のATTオプトイン率、最新のマーケティング予算動向まで、一から解説するウェビナーを開催します。
■イベント:今更聞けない!? iOS14.5とSKAdNetwork完全解説
■開催日時:2021年6月4日(金)15:00
■開催場所:オンライン
■主な内容:
・アプリデータから見るiOS14・ATTトレンド
・SDK実装のポイントについて
・SKAdNetworkソリューションについて
・プライバシー重視のアトリビューションについて
・質疑応答
■申し込み:https://www.bigmarker.com/appsflyer/iOS14-5-SKAdNetwork
AppsFlyer Japan株式会社
AppsFlyerは、アトリビューションとマーケティング分析のグローバルリーディングカンパニーです。マーケティングビジネスの成長を支援しイノベーションをもたらす包括的な広告効果計測および分析ソリューションを提供しています。AppsFlyerは、Macy’s、Minecraft、Nike、NBC Universal、Tencent、US Bank、Wayfair、StitchFix、docomo、RECRUIT、VISA、JAPAN AIRLINESなどの大手ブランドを含む何千もの顧客と連携しています。8,000社以上のパートナーからなるAppsFlyerのマーケットプレイスには、Facebook、Google、Apple Search Ads、Twitter、TikTok Ads、Pinterest、Snap、Salesforce、Adobe、Oracleなどが含まれています。AppsFlyerは先日、フォーブスの2020年クラウド100リストに2年連続で選出されました。
既存の投資家には、General Atlantic、Goldman Sachs Growth Equity、DTCP(Deutsche Telekom Capital Partners)、Qumra Capital、Pitango Venture Capital、Magma Venture Partners、Eight Roads Venturesが含まれます。AppsFlyerについてはwww.appsflyer.com/jpをご覧ください。
関連リンク
●AppsFlyer Japan株式会社
●【iOS14とATTフレームワークに関するユーザー動向レポート】ATT導入後、アプリのトラッキングを許可したユーザー(オプトイン率)は全体の40%