adjust株式会社、カントリーマネージャー 佐々直紀が語る。コスト削減と収益増をもたらすアトリビューションプロバイダーの選び方
2020.04.07
2022.04.29
adjust株式会社
Adjustは、モバイルマーケティング分析プラットフォームです。アプリの持続的な成長を目指す世界中のマーケターから信頼されており、広告キャンペーンの効果測定と最適化、ユーザーデータを保護するソリューションを提供しています。
Web広告・マーケティングのいまをお届けするsyncAD(シンクアド)インタビュー第1弾は、Adjustのカントリーマネージャー(現、日本法人ゼネラルマネージャー)として、日本オフィスを統括する佐々直紀氏に「アプリの成長につなげることができるアトリビューションプロバイダーの選び方」についてお話を伺いました。
目次
インタビュー概要
ますます複雑化するモバイルエコシステムにおいて、マーケターに必要なのは信頼できるデータです。そのデータを提供するのがアプリ計測を行うアトリビューションプロバイダーです。プロバイダーを利用することでマーケティング活動全体の効率化を図り、コストを削減し、アプリの成長につなげることができます。
アプリのユーザー属性を把握しダウンロードしたOSがAndroidかiOSかを知って満足する時代は終わりました。適切なアトリビューションプロバイダーを利用することにより、ユーザーをどのように獲得したか、ユーザーがどこから来て、いつどのようにアプリと関わったかなどを知り、より多くのユーザーと関係性を築き、維持するための最善の方法を手に入れることができます。
しかし、それを実現するアトビリューションプロバイダーを見極めるのは必ずしも容易ではありません。この記事では、プロバイダーを選定する際に気をつけたいポイントを説明します。
アトリビューションとは?
簡単に言うと、アトリビューションの分析とは、どの広告がインストールや売り上げに最も貢献しているかを把握することです。十分な情報に基づき正しい意思決定を行うために、アトリビューションデータを適切に、リアルタイムで収集することがとても大切です。
また、収益を最大化してコストを最小限に抑え、リスクを軽減するために、今日のモバイルマーケターに必要なのは、安全かつアドフラウドの影響が無い環境で幅広い情報を提供するアトリビューションプロバイダーです。プロバイダー各社は様々なオプションや機能を提供しており、全く同一のサービスを提供する企業は存在しません。
アトリビューションプロバイダーを検討する際は、以下のチェックリストを参考にしてください。
5つのチェックリスト
1.100%正確なプロバイダーであること
広告スペースやセールスデータの販売、サードパーティーの製品を斡旋するようなアトリビューションプロバイダーは、ユーザーの信頼を損う恐れがあります。意思決定を正確に行うためには、信頼できるアトリビューションデータが必要不可欠です。
例えば、広告費を重複して支払うのを防ぐためには、各イベントは1つのデータポイントと1ユーザーのみに紐づけられなければなりません。
東南アジアのテックユニコーン企業Travelokaも、アトリビューションデータの正確性がユーザーの全体像を把握する上で重要だと語ります。同社は「マーケティングを企画する際に、モバイルとデスクトップを横断する様々なタッチポイントを紐付けてユーザージャーニーを把握する」ことに成功しています。ユーザー像をより明確にすることで、マーケティングチームの効率が30%向上しました。
2.大手代理店やパブリッシャーとのつながりがあり、自社にとって最も重要な広告パートナーと連携していること
広告予算を複数のマーケティングチャネルに割り当てるなら、どのネットワークが最も効果的なのかを把握することが大切です。アトリビューションプロバイダーが各チャネルのデータにアクセスできれば、施策により得られる貴重な成果情報をフル活用できます。海外進出を検討しているマーケターは、プロバイダーが海外でも多数のネットワークとパートナーシップを確保しているかどうかを調べましょう。
3.キャンペーンを過去に遡って比較検討できるように、過去データがいつでも閲覧可能であること
データは十分な期間保存し、常に意思決定の参考にできる状態であることが大切です。例えば数年に遡って過去のデータが閲覧できる機能があれば、ユーザージャーニーを長い期間にわたって分析できるようになります。また、ユーザーが広告などに接触せずに直接アプリストアを訪問し、ダウンロードするようなケース、いわゆるオーガニックによるデータは全て無料で提供し、データのリクエストが無制限にできるプロバイダーを選ぶようにしましょう。
4.企業としての適正さを検討し、アドフラウドの検出だけではなくリアルタイムで防止できるプロバイダーであることを確認する
不正の検出しかできないプロバイダーを使用すると、アプリは常にアドフラウドの危険に晒されることになります。不正なトラフィックに広告費を支払い続けてしまうことになり、結果ネットワークからの払い戻しの請求も自社で行わなければなりません。これは長期的な障害にもなりかねます。有効な不正防止機能がなければ、データに歪みが生じて正確性が損なわれるどころか、誤った意思決定をしてしまう恐れがあります。
APAC地域7ヶ国の市場でビジネスを展開するファッションEコマースアプリのZaloraは、フラウドを積極的に防止するツールが業務に欠かせないと述べています。同社は「不審なアクティビティを抽出し、払い戻しを請求する時間が大幅に削減されました。今では不審なアクティビティの追跡がはるかに楽になり、不正があった根拠を用意するのに何日も費やす必要がなくなりました」と語ります。
5.データプライバシーを保証できるプロバイダーを選ぶこと
EUのePrivacyグループとアメリカのプライバシー・シールドグループによって認可されているアトリビューションプロバイダーを選ぶことで、ユーザーのプライバシー保護に関わる規制違反を心配することなく安心してマーケティングに専念できます。
アトリビューションプロバイダーを選定する際は、細心の注意を払いましょう。モバイルマーケティングは今後数年間で急成長することが予測されており、それに合わせて効果的にビジネスを拡大することが求められています。
GMSAによると、モバイルにおけるサブスクリプションの件数は2020年に57億に到達すると予測されており、これは世界人口の73%にあたります。さらに、GMSAは世界のGDPに対するモバイルの貢献は3.3兆ドルであると示しています。アプリは巨額が動く市場であり、多くの企業がその恩恵にあずかろうと奮闘しています。残念ですが、その中にはもちろん不正業者も含まれます。
信頼のおけるアトリビューションプロバイダーを選ぶことで、データが健全に保たれ予算を最大限に活用し、安心して日々のマーケティング業務に取り組めるようになるのです。
アトリビューションプロバイダーの重要性を理解する
現在、新型コロナウイルスの影響で、スマホアプリの利用も多くなっている今、正確なアトリビューション計測と分析を基にマーケティング活動を実施することが、これまで以上に重要になってくると思います。
この記事では、コスト削減をしながら収益を拡大させるために重要なアトリビューション計測の定義と、アプリ計測ツールを提供するプロバイダーの選定ポイントについてご紹介しました。ツールの導入をご検討のアプリマーケターの方は、ぜひ参考にしてください。
ご協力ありがとうございました。
Adjust カントリーマネージャー 佐々直紀プロフィール
佐々 直紀(さっさ なおき)
■ドイツ発のモバイルアプリ計測プラットフォーム”Adjust”のカントリーマネージャーとして、日本オフィスを統括
■多くのスタートアップを立ち上げから軌道に乗せた経験を持つ
■アプリ広告の計測に関して深い知見を持つ第一人者
1974年生まれ。2000年4月からデジタルマーケティングに携わり、オンラインモールのキュリオシティ、Yahoo!ショッピング、ショッピングサーチビカム、リターゲティング・DMPのVizuryにてAE、AM、マーケティング業務を経験。2016年1月からTUNEの日本法人の立ち上げメンバーとして、本格的にアプリ計測分野に参入、2016年11月よりAdjustに参画。数々のスタートアップの立ち上げから軌道に乗せた経験を生かし、カントリーマネージャーとしてAdjustの日本オフィスを統括している。
Adjust モバイルマーケティングガイド2020
2018年に、モバイル広告費が初めて1兆円を超え、インターネット広告費全体の70%以上を占めるようになり、モバイルマーケティングの需要は益々増加しています。また、テクノロジーの進化がモバイルマーケティングの進化を日々加速させています。このような状況の中、モバイルマーケターに求められるスキルも高まっています。広告のユーザーエンゲージメントを効果的に行うためには、オーディエンスをセグメント化し、的確なメッセージでターゲティング、リターゲティングを施策することが求められます。
また、マーケティングには代理店からアプリパブリッシャーやアナリティクス、アプリ計測ツール、SSP、DSP、アドネットワークなど、多くの協力を必要とします。このような一連のマーケティング活動を行うには、モバイルマーケティングの基本をしっかり把握し、それを土台にスキルを積み重ね、モバイルマーケティングの全体像を把握する必要があります。
Adjustの「Back to Basics:Adjustモバイルマーケティングガイド 2020」は、マーケティング業務に必要な基礎知識やヒントを紹介したガイドブックです。マーケティング部門に初めて配属された方、またマーケティングの基本をおさらいされたい方にご活用いただける資料です。
当ガイドブックはこちらから無料でご確認いただけます。
https://www.adjust.com/ja/resources/ebooks/back-to-basics