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2020.01.27
2020.01.27
株式会社電通グループ(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)の海外本社「電通イージス・ネットワーク」(本社:英国ロンドン市)は、世界59カ国・地域から収集したデータに基づき、「世界の広告費成長率予測」※を取りまとめました。本予測では毎年2回改定と新規予測を行っており、今回は2019年・2020年予測の改定(前回予測は2019年6月発表)と、2021年の新規予測を行いました。
主な結果は次の通りです。
目次
(図表1、2参照)
(図表1、2参照)
(図表3、4参照)
世界のデジタル広告費の成長率は、2019年に11.2%(前回予測は11.5%)、2020年に10.5%(同11.0%)と二桁成長が続き、2021年も9.5%(新規予測)と高い成長を維持する見通しです(図表3参照)。その主要因はオンライン動画広告とソーシャルメディア広告の成長であり、デバイスとしてはモバイルの貢献が大きく、デジタル広告市場成長の牽引役となっています。2020年には世界の総広告費に占めるモバイル経由の広告比率が3割に迫り、2021年には3割を超えてテレビ広告の構成比を追い抜く見通しです。
世界の総広告費に占めるデジタル広告費のシェアは、2018年に初めてテレビ広告費を上回って38.4%となりましたが、2019年、2020年にはそれぞれ43.0%、45.7%となり、2021年には48.3%と5割に迫る見通しです(図表4参照)。
東京2020オリンピック・パラリンピック、UEFA欧州選手権、米国大統領選挙といった世界的なイベントを背景に、世界の広告費成長率は3.9%(前回予測は4.1%)となり、総広告費は6,154億ドルに達すると見ています。ドイツ、イタリア、スペインにおけるマイナス成長は続くものの、インド、ブラジルを筆頭に、英国、ロシア、中国、カナダ、フランスなどが高い成長率を維持することから、2020年は2019年を上回る成長になると予測しています。
媒体別では、世界各地で引き続きデジタルが広告市場成長を牽引しています。デジタルが従来型メディアの再成長に貢献すると見ており、たとえば、音声アシスタントやアドレッサブルTV(インターネットTV端末等に視聴者特性に合わせて広告を個別配信するプログラマティック広告)などがテレビ広告の成長を後押ししています。従来メディアの成長率は、新聞が△7.1%、雑誌が△6.3%と厳しい状況が続くものの、テレビは0.6%、ラジオは1.7%とプラス成長に転じる見通しです。この回復傾向は2021年も続くと見ています。
日本の広告市場は、2020年には東京2020オリンピック・パラリンピックの開催等もあり、成長率は2019年を上回る2.0%と予測しています。デジタルは運用型広告を中心に引き続き二桁成長(12.5%)となり、とくにモバイル、オンライン動画広告、マス4媒体事業社等が主体となって提供するインターネットメディア・サービスにおける広告費(マス4媒体の広告費には含まれない)が成長を牽引する見通しです。
デジタル広告の成長に加えて、デジタル広告と従来型メディアとの組合せによる広告施策やソリューションが拡大傾向にあります。2021年は、前年の反動減は避けられないものの、成長率はプラス成長を維持する見通しです。
≪詳細レポート:「Global Ad Spend Forecasts January 2020」≫
電通イージス・ネットワーク発行の詳細レポートは下記URLからダウンロードできます。(英語のみ)
https://www.dentsuaegisnetwork.com/reports/global_ad_spend_forecasts_jan_2020
※ 電通イージス・ネットワーク(DAN)は、世界ネットワークを通じて収集した情報に基づき、59カ国・地域の広告費の成長率を独自に分析・推計して年に2回発表しています。対象媒体には、テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、映画館(シネアド)、屋外/交通、デジタルが含まれます。
日本の広告市場のみ、上記以外の媒体の広告費(折込、DM、フリーペーパー/フリーマガジン、POP等)が含まれるため、媒体別のシェア予測においては、その項目を除外した数値を「世界の総広告費」とした上で、各媒体のシェアを割り出しています。なお、今回(2020年1月発表)の日本市場の予測は、2019年10月時点の各種情報を基に算出しています。