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「DX」が年間1位に。コロナ前との変化を19年~21年で比較。22年注目ワードも
株式会社PR TIMES(本社:東京都港区、代表取締役:山口 拓己、東証一部:3922)は、運営するプレスリリース配信サービス「PR TIMES」において2021年1月1日~10月31日に企業から配信いただいたプレスリリース総計23万990件(10カ月間)を対象に、年間データ分析と総括、業界別分析と各種ランキングなど発表いたします。
なお、2020年に発表したプレスリリースキーワードランキングより集計方法を変更したことをご報告いたします。2020年時には同一内容を示すキーワード(「コロナ」「新型コロナウイルス」など)を同一キーワードとして合算して算出しておりました。2021年より、キーワード表現の多様性から人的判断で同一キーワードとみなすことでデータの公正さを損なう可能性があると考え、同一内容を示すキーワードもそれぞれ別のキーワードとして集計しております。後述の年別比較においても、本年の算出方法をもって再集計したデータを使用しています。
「PR TIMES」は利用企業数5万8000社超、国内上場企業の利用率が47%を超えるプレスリリース配信サービスです(2021年8月末時点の企業数と利用率)。「PR TIMES」では企業の発表情報(プレスリリース)をメディア向けに配信してニュースの情報源にしていただくとともに、「PR TIMES」サイトおよびパートナーメディアに掲載し生活者にも最新の一次情報をタイムリーに閲覧・シェアいただいています。サイトアクセス数は月間5800万PV(ページビュー)を超えています。
対象期間:2021年1月1日~2021年10月31日
集計対象:PR TIMESプレスリリース23万990件
発表項目:年間&月別キーワードランキング、業界別分析、注目キーワード、等
発表日:2021年12月13日
発表者:株式会社PR TIMES
PR TIMES:https://prtimes.jp/
【キーワードランキング】昨年のコロナに代わり、DXがランキング1位に。SDGsも上位へ浮上
「PR TIMES」ではプレスリリース配信の際に、発表企業がプレスリリース内容に関係するキーワードを最大10個登録することができます。2021年1~10月に配信された総計23万990件のプレスリリースのキーワード登録総数は延べ175万7266個に上りました。社会のニーズに応えようとする企業発表からはその時の社会の情勢・状況や、将来的な話題の兆しが見えてきます。
年間総合ランキングでは2021年の企業活動の潮流が、そして月別ランキング推移からは企業動向の変遷と流行の兆しがキーワードを通して浮かび上がってきました。
■年間総合キーワードランキング
年間総合キーワードランキングでは、キーワードが登録されたプレスリリース件数で年間ランキングを集計しました。
2021年のキーワードランキングでは8279件のプレスリリースで使用された「DX」が総合1位となりました。今年関連するサービスが増えた「DX」は昨年のキーワードランキングでも年の後半から順位をあげ2020年総合16位となったキーワードでした。今年は年始から緊急事態宣言が再発令され「コロナ」関連のニュースが続いていましたが、コロナ禍によりニーズの高まった企業活動の「DX(=デジタルトランスフォーメーション)」が発表のトレンドとなりました。「DX」のキーワードに関する詳細の分析は〈2021年上位キーワードと2022年注目キーワード〉にて後述しています。
また、企業活動に限らず日頃の生活にも馴染み深くなりつつある「SDGs」がメディアや社会からの注目に押され、全体の5位まで順位を上げています。「SDGs」のキーワードに関する詳細の分析は〈2021年上位キーワードと2022年注目キーワード〉にて後述しています。
2位にランクインした「新商品」については、キーワード登録された8094件の10.8%を超える880件について「コロナ」も併用して発信されており、コロナ禍に向けた新商品が数多く生まれているものと考えられます。
「オンライン」「おうち時間」「テレワーク」といったキーワードも昨年に引き続いて上位ランクインとなり(*年別比較については後述でランキングを掲示しています)、今年もコロナ禍の新しい生活様式に必要とするサービスや商品の発表が増えていることを示しています。
■月別キーワードランキング推移
月別キーワードランキングでは、キーワードが登録されたプレスリリース件数で月間ランキングを集計しました。
昨年11月に1位の「クリスマス」以降、2020年12月~2021年3月は「コロナ」が1位の月が続きました。年明け間もなくから緊急事態宣言が再発令され、昨年に引き続きコロナ禍にあった2021年ですが、企業の発表においては平時のプレスリリースで多い「新商品」や「キャンペーン」「イベント」などのキーワード登録が増えました。2020年中は企業活動で自粛を余儀なくされていたものが徐々に回復に向かい発表に繋がっています。
「緊急事態宣言」は最初の発令となった2020年4月にはキーワードランキングで11位にランクインし、2度目の発令となった2021年1月には9位となるも、3度目の発令のあった2021年7月は報道でも「宣言慣れ」という言葉を象徴するように企業発表でも使用頻度が落ち、116位と大きく順位を下げています。
4月には昨年6月頃から順位を上げていた「DX」が1位となり、その後7月まで1位をキープしています。そして、1月には20位ランクインに留まっていた「SDGs」が2月以降順位を上げ続け、10月度ランキングでは過去最高の2位につけています。
2021年上位キーワードと2022年注目キーワード
DX
企業活動や日常生活でも欠かせないものとなった「DX」は、企業発表においても関連したプレスリリースが多く発信されました。2020年6月以降その順位を上げ、[2020年プレスリリース登録キーワードランキング(総合)]では14位としており、上昇中の注目キーワードに取り上げていました。
2021年はその勢いのまま4月には総合1位となり、以降は常に1,2位を推移しています。
業界別に[企業向けシステム・通信・機器]カテゴリに限定すると1月以降常に1位を保っており、BtoB企業の情報発信においては絶対的な定番になっていると言えます。
SDGs
「SDGs」は2015年に国連で採択された目標ですが、国際連合広報センターが設立した「SDGsメディア・コンパクト」へ日本の主要報道機関が加盟したことで、2020年頃から新聞やテレビでの露出が増えています。また、2020年からは学校教育でも採用され、ビニール袋の有料化など直接生活に関わる政策も施行されました。2021年は1月20位にランクインして以降、毎月順位を上げており10月には「DX」に次いで過去最高順位の2位になっています。
SDGsを意識した商品・サービスの選択は、利用者にとって社会貢献に寄与できるという意識もあり、支持を集めやすくなっています。そのため、企業活動の取り組み紹介に留まらず、商品・サービス自体にSDGsの考えを盛り込んだものが生まれるようになり、企業発表でもその件数を伸ばしました。また、業界カテゴリ別年間キーワードランキング見ると、全27カテゴリの内19カテゴリで20位以内にランクインしており、業界を問わず広く使用されるキーワードと言えます(参考|「DX」は27カテゴリ中7カテゴリで20位以内)。
今後注目される新キーワード
NFT
「NFT」はブロックチェーンを用いた新技術で、デジタル上の画像や映像が唯一無二の本物であることを証明できるようになり、その画像や映像などの価値を保証することができます。今年3月に海外のオークションサイトで同技術を使ったデジタルアート作品が約75億円で落札されたというニュースをきっかけに、日本国内でもそのキーワードに注目が集まりました。2月までは延べ11件だった2021年のキーワード登録件数も10月には延べ836件とその数を伸ばしています。「NFT」を活用したサービスの発表や同技術を持つスタートアップと大手企業との連携などが月毎に増えていき、昨年の41倍超のプレスリリースが発信されています。
メタバース
インターネット上に作られた3次元の仮想空間を指す「メタバース」は、1月~7月までは延べ31件だったものの、10月には述べ114件とその数を増やしています。
これまでに企業の事業参入の発表や、従来のイベントを「メタバース」で実施する企業も増えており、今後その活用の幅に合わせて、企業発表でも増加が見込まれます。
2020年からは増加率57倍と今後さらなる増加が見込まれます。
年別比較《2019年~2021年》コロナ禍を経た企業発表の変化
※データ集計変更に伴い、2020年ランキングに関して昨年末発表と異なる順位となっております。
2019年から2021年にかけては、社会情勢が大きく変わったことにより、登録キーワードの順位に大きな変化を与えました。それまで企業発表時のキーワード1位の定番となっていた「イベント」が順位を下げ、「コロナ」や「DX」といったキーワードが1位になっています。さらに、その変化に合わせるように「テレワーク」や「おうち時間」などコロナ禍による流行キーワードがランクインするようになっています。
2019年には20位までにランクインしていなかったキーワードが、2020年・2021年と計10個(「コロナ」「新型コロナウイルス」「オンライン」「テレワーク」「おうち時間」「リモートワーク」「DX」「マスク」「EC」「SDGs」|登場順)新たに登場するなど、コロナ禍による社会の変化を感じる結果となっています。2021年も引き続きコロナ禍の影響を感じるキーワードが並ぶ一方で、2019年まではランクインが見られた「ゲーム」「ホテル」「コラボ」といった一般ワードが再び2021年にはランクインしており、徐々に平時へ戻りつつある状況を示していると言えます。
2019年以降でランクインから姿を消したキーワードが6個(「アプリ」「働き方改革」「グルメ」「アニメ」「旅行」「スポーツ」)ある中で、「働き方改革」については「テレワーク」「リモートワーク」「DX」といったコロナ禍だからこその働き方に関連するキーワードが多用されるようになったと考えており、結果的に、より細分化して「働き方改革」が進んでいるものと捉えることができます。
また、2019年までも関連するサービスなども多く企業発表でも使用頻度が高いものと思われる「EC」ですが、2019年は46位だったものの、2020年19位、2021年12位と順位を上げています。外出で買い物を楽しむ機会が減ったことによるオンラインストアの拡充や、既存事業をD2CでEC展開する事業者による発表が多く見られました。
《業界カテゴリ別動向》プレスリリースの業界カテゴリごとの傾向を解説
【外食・中食】昨年後半の勢いそのままに「テイクアウト」が年間を通じて1位をキープ
2020年4月以降、11月の「クリスマス」を除き1位をキープしていた「テイクアウト」が、今年もここまで1位をキープし続けました。これまで店舗提供のみとしていた飲食店も多くお持ち帰りメニューを開始しました。
また、「デリバリー」もコロナ禍以降10位以内をキープしている新ワードです。緊急事態宣言が明けた10月も引き続きこの傾向は続いており、飲食業界において「テイクアウト」「デリバリー」が定番化していると言えます。
【ホテル・レジャー】下半期以降でコロナ関連のキーワードがランク外に、業界全体に復調の兆し
1月2月には「一時帰国」や「自主隔離」、4月以降も「コロナ」のキーワードが常にランクインしていたものの、8月からは「コロナ」含め、関連するキーワードがTOP10に入っていません。
一方で、1月~7月までには、「マンスリーマンション」「ワーケーション」「テレワーク」といったホテルなどの宿泊施設がコロナ禍で新たに始めた、観光のみを目的としない利用方法を訴求する発表が多くありました。
【企業向けシステム・通信・機器】「DX」と「AI」が年間を通じて1,2位を独占
企業向けシステム・通信・機器カテゴリでは、年間を通じて「DX」「AI」が1,2位の座をキープし続けました。3位以降には「テレワーク」「SaaS」「クラウド」「セキュリティ」など、企業活動のデジタル化に伴う関連サービスへのニーズがプレスリリース発信にもつながっています。
「コロナ」のキーワードは全体よりも早く3月にはランクインせず、先にあげたようなコロナ対応に必要なサービスを象徴するキーワード登録が目立ちました。
データ集計担当からのコメント
株式会社PR TIMES 経営管理本部 PR・IRチーム 杉本 秋
プレスリリースは企業の新しい活動を伝えるための情報発信手段です。プレスリリースには、企業が社会の情勢に合わせて試行錯誤して生まれた新商品やサービスの情報があります。それを分析することで、社会が求めるものを提供しようとする企業活動の傾向が見えてきます。
2020年後半から徐々にキーワード登録が増えてきた「DX」は、今年特に触れる機会が増えたキーワードになりました。来年に向けては、今年になって去年と比べ40倍50倍超の発信がされている「NFT」「メタバース」を注目ワードにあげています。
累計100万件を超えるプレスリリースを配信してきた「PR TIMES」が持つプレスリリースデータを分析することで、今後の発表の参考や社会分析にお役立ていただければ幸いです。
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