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アドベリフィケーションが未だに世界的カンファレンスで取り上げられることについて

時計2020.11.16

更新2020.11.16

コラム、アドベリフィケーションが未だに世界的カンファレンスで取り上げられることについて

今年も東京国際フォーラムで10月29日-30日と2日間にわたって開催されたad:tech tokyoでアドベリフィケーションに関するカンファレンスが実施されました。今回はそのアドベリフィケーションに関して問題提起する記事を書かせていただきます。

アドベリフィケーションとは

2012年頃、DSPなどのプログラマティックな広告配信において、アドベリフィケーションという仕組みが使われるようになりました。アドベリフィケーションには大きく2つの役割があり、1つは「広告主のブランド価値を守る役割(ブランドセーフティ)」、もう1つは「見られる場所に広告を表示する役割(ビューアビリティの保証)」です。
引用:Digtal Marketing Lab(https://dmlab.jp/adtech/adveri.html

日本では、2017年に株式会社電通、インテグラル・アド・サイエンス社、Momentum社、株式会社電通デジタル、株式会社サイバー・コミュニケーションズらと共に「アドベリフィケーション推進協議会」を発足。アドベリフィケーション問題の現状把握と具体的な対策の研究を深化させるために、研究結果をホワイトペーパーで発信しています。
アドベリフィケーション推進協議会(https://ad-veri.jp/

アドベリフィケーションをはじめとする広告毀損に関して

2017年1月に世界的なインタラクティブ広告業界団体IABのカンファレンスで米P&Gの最高ブランド責任者である、マーク・プリチャード氏が「広告価値毀損」に関するスピーチを行いました。当時のデジタルマーケティング業界には激震が走り、アドベリフィケーションの中でも「ブランドセーフティ」全世界に広がっていきました。

未だに世界的カンファレンスで取り上げられる理由

前述させていただきましたが、今年のad:tech tokyo2020で資生堂ジャパン株式会社 小出 誠氏が約50分間において同テーマについてカンファレンスを開催されました。筆者が考えるにいくつか要因を考えました。

1.アドベリフィケーションを活用した画期的事例がない

長くこの業界にいますが、2017年に米で同対策に対して危惧された中でも実施し、有効的だったという事例が見当たらない

2.2017年に現場第一線の方が退職、昇格し若手中心になっている

業界としては、若手が現場第一線になることは若手育成という点ではいいことではあるが、知らない人が蔓延し危惧を継承出来ていない

3.実施、導入必須となっている広告主が一部代理店しか流通していない

アドベリフィケーションを実施、導入必須となっている広告主の発注が一部の大手代理店に偏り、他代理店は実業務に携わることが少なく、形骸化されてしまっている

以上のことから、世界的カンファレンスで再掲しないと形骸化されてしまうことを危惧し実施されたと考えられます。

ビューアビリティーに関する問題

今までアドベリフィケーションに対して、問題提起をしてきましたが2011年にDSP広告が隆起し、いまだにディスプレイ広告の最先端としてCookielessにより再度脚光を浴びてきていますが、そこでビューアビリティーに関して問題が発生してきています。

DSP広告は一部を除いて、広告表示をされたタイミングで課金されるCPM課金となっている。ぱっとみた際には、現時点で見ている箇所に広告が表示された際に(ビューアブル)課金をされると信じられてきていた。ただ、現状は直接的可視化されない2nd Viewや3rd Viewに広告が表示されても課金される仕組みとなっています。

前述したIABではビューアブルに関する定義を明確になっており、米で成り立ったDSP広告では一部ビューアブル課金ということも実施されています。

これからのインターネット広告業界

電通からのリリースにもある通り、TVでの広告費よりインターネット広告費が上回る状況で今以上に消費者がインターネットに触れていく機会が多くなっている実状がある中、再度インターネット広告に携わる人間として、アドベリフィケーション、アドフラウドなどやはり意識をし、周りに浸透させていくことが重要だと考えています。

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