Glossom、スマートフォンでの情報収集に関する定点調査2020「Glossomデータインサイトラボ」設立
2020.08.05
2020.08.05
目次
利用時間は1割増、動画による情報収集が拡大10代はYouTube利用時間が2倍増、TikTok利用率は2倍増
データマーケティングエージェンシーのGlossom株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:足立 和久、グリー株式会社100%子会社、以下「Glossom」、読み:グロッサム )は、企業のデータ活用を促進するための研究機関「Glossomデータインサイトラボ」を設立します。その第一段の取り組みとして、スマートフォンユーザーの情報収集動向を時系列に分析する「スマートフォンでの情報収集に関する定点調査」を全国の10代から70代の男女1,442名に実施しました。
■調査背景
本調査は、SNSやサーチエンジン、メディア、動画サービスの利用率や利用時間を性別年代情報と掛け合わせることで、現状の動向や スマートフォンユーザーの意識の変化をとらえることを目的とし、2019年より実施しています。 スマートフォンユーザーの 情報収集スタイルを経年で調査することにより、社会動向を見える化し、年代による意識の変化や新たなサービスの浸透度合いなど様々な視点から得られたインサイトが、データ活用を考える基となればと考えています。
■総括
調査の結果、情報接触の時間が増加、情報収集の方法も大きく変わっている実態が明らかになりました。情報収集におけるスマートフォンの利用時間は、2019年比で、SNS・サーチエンジン・メディアのいずれも増加し、1日平均利用時間は2019年「112.1分」から2020年「126.6分」と13.0%増加しています。要因として、SNSの1日平均利用時間が「67.1分」と2019年比で26.9%増加している点が挙げられ、特に動画サービス(YouTube 無料)が利用時間増をけん引しています。
また、SNS利用者の総利用時間は増加傾向であったものの、年代別では若年層のSNS利用率の低下が見られました。サービス別では、YouTubeやTikTok、Instagramの利用率が増加している一方で、10代においてはFacebookやTwitterといった“個人の関係性にもとづく”SNSの利用率が低下している点が特徴的でした。
■調査トピックス
1. 情報収集におけるスマートフォ ン利用時間、サービス分類別利用時間と利用率
●スマートフォン の利用時間は2019年比で1割増
スマートフォンの1日平均利用時間は「112.1分 」2019年)から「126.6分」2020年)と 13.0%増加。
●「SNS」利用時間が2割増と顕著
サービスをSNS、サーチエンジン、メディア(※1)で分類し、利用実態を調査すると、利用率はいずれも75%超えと高かった。利用時間は、特にSNSの増加が顕著で、2019年比で26.9%増加、1日平均利用時間は「671分」と3分類の中で最も長かった。
●SNSのなかでも、特にYouTube無料が利用時間増をけん引
YouTube無料の利用時間は「16.0分」(2019年)から「27.8分 」(2020年)と73.3%増加し、利用率は50.7%(2019年)から56.3%(2020年)と11.1%増で、動画による情報収集が拡大している。
2.YouTube、TikTok、Facebook、Twitter、Instagram年代別利用実態
●SNS利用者の総利用時間は増加傾向であるも、若年層のSNS利用率が低下
10代においてはFacebookやTwitterといった“個人の関係性にもとづく” SNSの利用率が低下した。
●YouTubeやTikTok 、Instagramの利用率が増加
特に10代のYouTube利用時間は2019年から2倍に増加。またInstagramは全年代で利用率が増加した。
3.企業がSNSで発信する情報への反応
●若年層ほど反応度合いが高く、さらに女性の方が顕著
若年層ほど自分がフォローしている企業や、友達がシェアした企業の広告に強く関心を持つ。
●セールやクーポンなどのお得情報は女性から関心が高く、ゲームコンテンツは男性の若年層から関心が高い
年代や性別で反応の違いが見られることから、企業が適切にメッセージを伝えるには、受け手のとらえ方による反応の違いを把握し、ユーザー接点を考える必要がある。
4.新型コロナウ イ ルスによる生活の変化の影響
●全年代で総合ニュース (※2) 、映画やドラマ・エンタメ系メディアの利用率が上昇
メディアの利用動向では、総合ニュース系メディアYahoo!ニュースやSmartNewsなど)や、映画・ドラマ・エンタメ系メディアの利用率が上昇した。
●30代女性の 美容・ファッション系メディアの利用率は半減
外出自粛の影響で巣ごもり傾向が見られ、美容やファッションに対する関心の薄れが顕著だった。30代女性では美容・ファッション系メディアの利用率だけでなく、利用者の1日平均利用時間も減少した。
5.サブスクリプション型動画サービス(※3)利用率と年代別利用実態
●動画サービスの利用率は、サブスクリプション型動画サービスで42.9%
特に若年層の利用率が高く、サブスクリプション型動画サービスの10代の利用率は66.0%と顕著。利用時間は20代が最も長く、長時間視聴する傾向が見られる。
●主要なサブスクリプション型動画サービスの利用動向は、ABEMAは10代女性、NETFLIXは20代女性、Amazonプライム・ビデオは10-30代男性の利用が顕著
年代・性別で利用率の差が見られ、それぞれのユーザー層に支持されるコンテンツの有無が、利用率の差の要因の一つと考えられる。
■調査結果詳細
1.スマートフォン利用時間、分類別利用時間と利用率
情報収集におけるスマートフォンの1日平均利用時間は2019年の「112.1分」から2020年は「126.6分」と13.0%増。さらにサービスをSNS、サーチエンジン、メディアに分類し、利用実態を調査すると、利用率はいずれも75%超えと高かった。利用時間を調査すると、SNSの利用時間増加が顕著で、2019年比で26.9%増、1日平均利用時間が「67.1分」と3分類の中で最も長かった。
▼情報収集におけるスマートフォンの1日平均利用時間の推移
▼サービス分類別の利用時間と利用率(2020年)
SNSのなかでも、特にYouTube無料が利用時間増をけん引し、YouTubeの利用時間は「16.0分」(2019年)から「27.8分」(2020年)と73.3%増加した。また利用率は50.7%(2019年)から56.3%(2020年)と11.1%増と、動画による情報収集が拡大していることが分かった。
▼YouTube無料の利用時間と利用率の推移
2.YouTube、TikTok、Facebook、Twitter、Instagram 年代別 利用実態
SNS利用者の総利用時間は増加傾向であるも、若年層のSNS利用率が低下していることが明らかになった。
10代においては、Facebookが15.0%、Twitterが10.7%低下し、“個人の関係性にもとづく” SNSの利用率が低下した。
▼年代別SNS利用率の推移
一方で、YouTubeやTikTok、Instagramの利用率が増加し、なかでもInstagramの利用率は全年代で平均19.0%増加しており、一般的なSNSとして浸透してきていることが明らかになった。さらに10代の利用実態を見ると、YouTube利用時間は22.3分増と2倍に増加しており、若年層ほど動画サービスの利用が進んでいることが分かった。
▼年代別Facebook利用率の推移
▼年代別Twitter利用率の推移
▼年代別YouTube無料利用率の推移
▼年代別TikTok利用率の推移
▼年代別Instagram利用率の推移
▼年代別YouTube無料の利用時間の推移
3.企業がSNSで発信する情報への反応
SNSのタイムライン(フィード)上で、自分がフォローしている企業やブランドが発信する情報と、友達がシェアした企業の情報、企業広告への反応を調査すると、いずれも若年層ほど「ほぼ全て見る」「少しでも興味があるものは見る」と回答し、反応度合いが高かった。また若年層の方が、「自分でフォロー」「友達がシェア」と、「企業広告」への反応度合いの差が大きく、特に女性で顕著だった。
▼企業がSNSで発信する情報への反応(女性 ・年代別)
▼企業がSNSで発信する情報への反応(男性・年代別)
印象に残る投稿内容を聞くと、「セール」や「クーポン」などのお得情報を挙げたのは女性が多く、10代女性ではいずれも半数以上が印象に残ると回答した。「ゲームコンテンツ」の情報は、10代男性の回答が58.3%と目立って多く、年代や性別で反応の違いが見られた。
企業が適切にメッセージを伝えるには、受け手のとらえ方による反応の違いを把握し、ユーザー接点を考える必要があることが分かった。
▼印象に残る企業の投稿内容(女性・年代別)
▼印象に残る企業の投稿内容(男性・年代別)
4.新型コロナウイルスによる生活の変化の影響
メディアの利用動向では、総合ニュース系メディア(Yahoo!ニュースやSmartNewsなど)や、映画・ドラマ・エンタメ系メディアの利用率が上昇した。
▼総合ニュース系メディア利用率の推移(年代別)
▼映画・ドラマ・エンタメ系メディア利用率の推移(年代別)
目立った傾向としては、30代女性の美容・ファッション系メディア利用率の減少で、2019年の21.4%から6割減し、7.8%だった。また利用率だけでなく、利用者の1日平均利用時間も約2割(17.6%)減少し、新型コロナウイルス対策のための外出自粛やテレワークの影響で、美容やファッションに対する関心の薄れが明らかとなった。
▼美容・ファッション系メディア利用率、利用時間の推移(女性・年代別)
5.サブスクリプション型動画サービス(※3)利用率・年代別利用実態
今回の調査では、新たにサブスクリプション型動画サービスの利用に関する質問を追加した。利用率は、サブスクリプション型動画サービス全体で42.9%だった。特に若年層の利用率が高く、10代の利用率は66.0%と顕著。利用時間は20代が最も長く、若年層を中心にスマートフォンでの動画閲覧が一般化していることが分かった。
主要なサブスクリプション型動画サービスの利用動向は、ABEMAは10代女性(36.9%)、NETFLIXは20代女性(18.4%)、Amazonプライム・ビデオは10〜30代男性の利用が多かった。年代・性別で利用率の差が見られ、それぞれのユーザー層に支持されるコンテンツの有無が、利用率の差の要因の一つと考えられる。
▼サブスクリプション型動画サービスの利用時間と利用率
▼主要サブスク リプション型動画サービス別の利用率(女性)
▼主要サブスクリプション型動画サービス別の利用率(男性)
■調査概要
調査対象 | 日本全国に在住のスマートフォンを所有する 10 代~ 70 代の男女 |
回答者数 | 2020年調査: 1,442名、 2019年調査: 2,060名 |
調査方法 | インターネットによるアンケート調査 |
調査時期 | 2020年調査: 2020年6月 11日(木)~ 6月13日(土) 2019年調査: 2019年5月 31日(金)~ 6月3日(月) |
標本構成 | 男性721名、女性721名(10代から70代まで各103 人) |
※1 SNS 、サーチエンジン、メディアの分類について
SNS:Facebook、Facebook Messenger、Instagram、LINE、TikTok、Twitter、YouTube(無料版)、その他のSNS
サーチエンジン:Safari、Chrome、その他ブラウザー
メディア:Gunosy、SmartNews、LINE NEWS、Yahoo!ニュース、その他のニュース系情報サービス、美容・ファッション・健康(MERY、ARINEなど)、食・料理(Cookpad、macaroni、mogunaなど)、住まい・暮らし(LIMIAなど)、旅行・おでかけ・レジャー(aumo、 TABI LABOなど)、音楽・映画・ドラマ・エンターテインメント、各種趣味(スポーツ、乗り物、カメラなど)、その他のジャンル・分野の情報・話題のまとめメディア
※2 総合ニュース系メディア分類について
Gunosy、SmartNews、LINE NEWS、Yahoo!ニュース、その他のニュース系情報サービス
※3 サブスク型動画サービス分類について
ABEMA(旧 AbemaTV )、Amazonプライムビデオ、dTV、Hulu、GYAO!、NETFLIX、U NEXT、YouTube (有料)日テレTADA、ネットもテレ東、テレビ東京ビジネスオンデマンド、FOD、NHKオンデマンド、ParaviTBS FREE、TELASA、TVer
ただし、専門系動画サービス(スポーツ系:DAZN等、アニメ系:ディズニー等)を除く
■データ活用に向けた「Glossomデータインサイトラボ 」について
当社は企業のデジタルマーケティングの領域において、特許技術※1を活用し、マーケティングデータベースの構築からデータ蓄積・分析・施策立案、実行までを一気通貫して支援しています。昨今スマートフォンの普及により生活のデジタル化が進んだことで、商品購入やサービス利用の前後や経緯 、きっかけなど人々の行動をデータ化し蓄積することで、企業はデータから顧客ニーズを読み取り、顧客ファーストかつ効率的なデータマーケティングを行うことが可能となりました。「Glossomデータインサイトラボ」では、チーフデータアナリストの陳野を中心に、様々なデータ分析を行い調査結果を発表することで、企業のデータに基づいたマーケティングを推進します。
[活動内容]
1.調査レポートの発表
2.ニュースレターの配信
3.データマーケティング事例を解説するセミナーの開催
[チーフデータアナリスト プロフィール]
陳野 友美(じんの ともみ)楽天グループの顧客データベースである「楽天スーパーデータベース」の生みの親。
2003年、楽天株式会社に顧客マーケティング部署の立ち上げメンバーとして入社後、楽天市場事業のデータ分析部部長に就任。
楽天PointClub等のCRMプログラムやグループ統合DB(楽天スーパーDB)の構築など、データを活用した顧客マーケティングの基盤づくりとマーケティング活動を推進。当社にてQUANT DMPによる記事読了解析技術の開発と複数の特許を取得。
チーフデータアナリストからのコメント
楽天時代は、インターネットでの商品購入やサービス利用を促進するため、事業運営に役立つインサイトをデータから抽出する仕組みづくりや、PDCAを回す基盤づくりをリードしてきました。社内にある大量のデータを様々な切り口で分析するだけでなく、ユーザーを取り巻く環境や心理の変化をいち早くとらえ、その先の行動の変化にいかに早く対応するかが成長の鍵になります。Glossomデータインサイトラボの発信する情報が、企業のマーケティング活動の一助となればと思います。
※1 ウェブコンテンツの読了率などからコンテンツをスコアリング(特許:第6347532号、名称:評価装置、評価方法及び 評価プログラム)、コンテンツの読まれ方を解析し、自社ユーザーのファン度を顕在化(特許:第6042018号、名称:情報生成装置、方法およびプログラム、ライターの能力を可視化(特許:第5988345号、名称:評価装置、評価方法、評価プログラム、レコメンド装置、レコメンド方法及び、レコメンドプログラム)
■関連リンク
●Glossom株式会社
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